死せる朝日の会
その後、俺は二人に案内されて教会の奥へと入っていった。 広い礼拝堂の最前列、そこに妙はいた。向かいには神父らしき人物が立っていて何か話をしていた。 やがて神父は俺に気づくと、こっちに来るように手招きした。
「久しぶりだな。と言っても、今のお前にはわからんか。」
神父という職業上、やわらかな対応を想像していたが、目の前の人物は正反対の口調で対応してきた。まあ、悪い感じではないから気にならないのだが。
「あなたは?」
俺の直感では、この人に逆らわないのが懸命だと感じていた。
「敬語はやめろ。本来のお前は誰に対してもタメ口だ。気を使う必要は無い。」
とは言ってもな。お前の雰囲気怖いよ。背は高いし、目つき鋭いし。妙な威圧感あるしな。
「俺の名前はアリ。ラウズ・アリソーバーだ。テロ集団【エイト】のメンバーであると同時に、同士ルーベンスの配下でもある。」
俺に座るように促したアリは、礼拝堂の隅に置いてある冷蔵庫の中からジュースを取り出し、俺に手渡した。
「記憶は無くても、コーラは好きだろ? 」
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