死せる朝日の会
俺はゆっくりと上を見上げた。異様に高い天井には、一面に綺麗な絵画が描かれていた。 窓には青を基調としたステンドグラスがはめ込まれていた。 正直、芸術なんてものに興味は無いが、それでも素直に美しいと感動できる。 俺という存在がなければ、高柳周一は今も普通に暮らしていたのだろう。そして神崎妙子と幸せに過ごしたに違いない。 今の俺みたいに、綺麗な物を見て感動したりなんて事はもうできないんだな。確かにしばらくしたら世界は終わるかもしれない、けど、そのわずかな時間さえも奪ってしまったのなら、俺は彼にもらった時間を、全力で生きなければならない。
「妙。さっき言ってたユリスって、お前の事なんだろ? 根拠は無いが、なんとなくわかるんだ。」
妙は俺を見る。
「そうよ。私はユリス。フランスの貴族ベルガンデス家の次女ユーリストル・C・ベルガンデス。それが本当の私、少しは思い出した?」
期待まじりに俺を見る妙…、いやユリスだったが、俺は首を横に振るのを見ると、下を向いてしまった。
「妙。さっき言ってたユリスって、お前の事なんだろ? 根拠は無いが、なんとなくわかるんだ。」
妙は俺を見る。
「そうよ。私はユリス。フランスの貴族ベルガンデス家の次女ユーリストル・C・ベルガンデス。それが本当の私、少しは思い出した?」
期待まじりに俺を見る妙…、いやユリスだったが、俺は首を横に振るのを見ると、下を向いてしまった。