死せる朝日の会
だが、彼女の返答はリンダによって遮ぎられてしまった。
「どうやって入って来たの? ここは協定によって不可侵のはずだろ。それとも今回はルール変更でもあったのか?」
リンダは威嚇でもするかのような気迫で、彼女の腕をつかんだ。すると彼女は、
「わかっています。でも悪意がなければ入れるはずですよね? 確かそれもルールのはず、そして現に私はここにいる。」
正体不明の彼女とリンダはしばらく睨み合っていたが、リンダのほうがパステルに止められて引き下がった。
「確かにあなたの言う通りです。でも、何もなかったらわざわざ来ませんよね? 用件を聞きましょうか?」
パステルの対応は実に落ち着いていた。けれどもリンダ同様に、この来客を敵視しているらしい。一体何者なんだ?
「たいした用事じゃありませんよ。ただ、この方と話をしたいだけです。」
彼女は俺をまっすぐに見ていた。
「話? どのような話しですか? こっちは人数も多い、今ならあなたを抑える事もできますが?」
パステルは強気に言い放った。
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