死せる朝日の会
なら、手紙に書いてあった、アイリス達の考えるもう一人のユリスとは何だ? わざわざ出向いてまでシャレな訳ないよな? いや、まあいいや。いずれはっきりするだろう。アイリス達が本当は仲間で、今は敵役だと言うならこれは罠だ。おのずと対応は決まってくる、こちらはこちらで動くとしよう。俺はみんなを見渡してから、少し気合いを入れて話し始めた。
「みんな聞いてくれ。だいたいの状況はわかった。俺は今記憶が無い。だが、その回復を待っていても埒があかないだろう、だから俺はこのまま行動を開始する。やがて来るであろう最期の日までに、ミサイルの発射の原因をつきとめて、必ず止めてみせる。だからみんな、俺に力を貸してくれ。」
全員がゆっくりと頷いた。俺も頷いて続ける。
「ありがとう。早速調査に入る、今あるだけの資料を見せてくれ、それと他の仲間の事も教えて欲しい。」
するとアリとパステルは、俺を奥の部屋に案内した、そこは膨大な資料が並べられており、めまいすら覚えそうだが、俺にはたいした問題じゃない。世界を救うという、この突然の事態を俺は楽しいとさえ感じていたのだ。
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