死せる朝日の会

２章 ズレている世界

大勢の人々が行き交う街の中、俺は目を閉じてひたすら待ち続けていた。時間は午前１１時を少し過ぎている、平日の火曜日だった。
「何か感じたか？ 」
こらえ性の無い俺は、隣に座っている人物に問いかけた？
「今の所何の反応も感じないな。」
その人物は長い金髪を揺らしながらこっちを見た。若干の変装と化粧をしたリンダだ。何せ平日の昼間だからな、補導なんてされたりしたら時間がもったいない。俺自身も微妙だが、リンダはどう見ても中学生にしか見えないので、とりあえず派手な衣服にサングラスを付けさせた。
「そっちはどうだ？ 何か手応えはあったか？」
そう聞かれた俺は、静かに首を横に振った。
「そうか、やっぱり無理があるのかもな。もともとの制限が無くなったとしても微妙な話だしな。とりあえず昼まで粘ったら撤収しよう。」
そう言うとリンダは、目を閉じて黙ってしまった。俺も同じように目を閉じる。しばらくして、リンダは目を閉じたままで話しかけて来た。
「あのさ、別に責めた訳じゃないからな。