死せる朝日の会
気にするなよ。」
俺は少し戸惑ってから返答する。
「リンダはいい奴だな。ありがとう。」
自分よりも若いリンダに、俺はなんとなく救われた気がしたのだ。
「いい奴と言うより、いい女だろ?」
そうかもしれないな。けど、
「そうゆう台詞は、もう少し大きくなってから言えよ。」
きっと美人のいい女になるからな。
「子供扱いするな、私は立派な大人の女だ。なんなら見せてやろうか?」
そう言うとリンダは俺に抱きついて来た。
「こら、やめろって、絵的にやばいからさ。」
振りほどこうとした俺だが、リンダの力が意外にも強くて困り果ててしまった。
「大丈夫だよ、見た目には普通のカップルだ。だからさ…」
俺の顔を両手で挟んだリンダは、そのまま俺の口にキスをしてきた。
「…!!」
びっくりした、というより意表を突かれたとでも言うのだろうか。
「どうだ? ショックで何か思い出したか?」
楽しそうなリンダの顔を見ながら、俺は年上の威厳を保つべく、必死に冷静を装った。
「こうゆう事をするのが子供なんだよ。全く、自由な奴だなお前は。」
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