死せる朝日の会
「だったらユリスも子供だな。同じ事してたろ? ジュンイから聞いてるんだからな。」
そういやあの時、誰かに見られているような気がしたのは、あいつだったのか。それにしても、少しはプライベートを考えろよな。
「まあ、なんだ、あいつは俺の恋人なんだろ? 記憶が無くてもそれは変わらないんだろうよ。」
そうだよ、だからキスだってするんじゃないのかな。
「恋人は所詮恋人だろ、結婚してる訳じゃないんだ。記憶も無いんだし気にしなくてもいいだろ。私を見てくれよ、一度は将来を誓い合った仲じゃないか。」
またそんな冗談を。そう言いかけた俺だったが、リンダの真剣な表情に少し考えてしまった。
「念の為に聞くけど、冗談だよな? まさか子供相手に本気で結婚の約束なんてしないよな?」
本当の俺にはそうゆう趣味があるとか? できれば嘘であって欲しい。
「ひどい奴だな、本人なんだから言葉を選べよ。残念ながら事実だ、お前と私は婚約してた時期があるんだ。パステルに聞いてもいいよ。それなら信じられるだろ。」
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