死せる朝日の会
要は見つけるのは不可能って事だ。一定の人数にまで絞る事はできても、最後の確信が掴めないからな。」
まあ、それもそうか。そんな簡単にわかるくらいなら、既に見つけてるだろうからな。
「さっき言ってたよな? 自分がユリスの可能性があると。 その根拠は?」
女のカンとか言うなよ。
「女のカンよ。」
言い切りやがった。「これって説明しにくいんだよな。実際に自分の身に起こらないとわからないんだけど、何て言うのかな。知っているって言うか、覚えてるって言うのか、とにかくわかるんだよ。可能性のあるメンバーには皆同じ感覚をもってるんだ。」
よくわからんが、結局のとこ、
「確かに女のカンだな。」
「でしょ。女のカンを甘く見ないようにな」
お互いに顔を見合わせると、なんだかおかしくて笑えてきた。こんなに笑ったのはいつ以来だろうか、やがて俺達はその場を後にした。
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