死せる朝日の会
「誰かが助けたのかな?」
ユリスは、心配そうにリンダを見ながら言った。 あまり刺激しないように気を使っているのが感じられる。
「私とパステル以外で、雨の事を知っている人間なら、味方側にはいない。 ほとんどは敵側に選ばれているから。 たぶん、雨が生きている事を知った誰かが、事故を未然に防いだんだと思う。あれさえなければ雨が今も元気なのは納得できるから。でも… 次はどうだろう? また失敗してリセットされたら? 次はまた、雨のいない世界かもしれない。 そんなの嫌だ… 助けたい。」
もう、ほとんど泣いているリンダは、それでも皆に涙を見せないように下を向いていた。 俺はパステルを見る、パステルわ軽く頷いてから、
「今の状況でのゲームクリアなら、雨は死ななかった事になり、そのまま生きていけるでしょう。しかし、リンダが言ったように失敗したなら、それこそ次は無いかもしれません。私達は変わらず生きていても、雨のいない世界になるでしょう。」
なんて事だ。もともと次の事なんて考えてはいなかったが、ここにきてさらに状況が厳しくなるなんて。
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