死せる朝日の会
俺はゆっくりと立ち上がり、リンダの側に近づいた。そして手を頭の上に乗せ、
「会いに行こう。それで何かが変わるとは思わないけど、とにかく会ってみよう。」
リンダは驚いた顔で俺を見上げる、そして何かを言いかけるが、また下を向いてしまった。しばらくして、
「…うん。雨に会いたい。」
と、小さな声で返事をした。それを見たアリは、手配してくるとだけ言い残し、部屋を出て行った。 俺とユリスは互いに目線を合わせて、そのまま黙って部屋を出る。ここはパステルに任せるのが一番だと感じたからだ。 出会ってから間もないとはいえ、リンダのあんな姿を見るとは意外な感じがした。
俺達は協会の二階にある資料室に移動していた。資料室とは言っても、もともとは食堂のような部屋だったらしく、キッチンや冷蔵庫が並んでいる。
「何か飲む? コーラならあるけど?」
冷蔵庫を開けながらユリスは言った。 俺は軽く頷いて席につく。
「リンダは大丈夫かな? 変に暴走したりしないだろうか?」
パステルに任せてきたけど、良かったんだろうか? そんな俺に、大丈夫だと手をふりながら、コーラの缶を投げてきたユリスは、
「あの娘は強いよ、私達なんかよりずっとね。」
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