死せる朝日の会
実はこの能力には限定された条件がある。一つは、自分の記憶を自力で思い出す事。もし自分の正体を誰かに教えてもらったら、その後記憶が戻っても力は使えない仕組みだ。それと、この力には十段階のレベルが存在している、それは自分に対する記憶の封印レベルと同期していて、軽い封印程に力は弱くなる。ユリスの記憶封印はレベル3で行われたらしく、その結果、現在ユリスが使えるセカンドイン能力もレベル3ということになる。
「ねえ。アイリスの言うユリス候補に会ったとして、その後の事は考えてる? 」
…それが、全く
「何も考えてないんだ。」
勢いだけだったからな。
「まあ、そんな事だろうと思ったわよ。でも、今のリンダを安心させるにはいいかもね。さすが“大極の織”ね、思い切った発想だと思うよ。」
何?
「たいきょくの…? 何だって? 」
「大極の織 。他のテロリスト団体とかが、あなたを呼ぶ時の愛称みたいなもんよ。まあ他にもいろいろあるけど、大局の織っていうのが一番メジャーかな。」
< 84 / 258 >

この作品をシェア

pagetop