死せる朝日の会
やけに勝ち誇る態度のユリスだが、こっちには何が何やらわからん状態だ。
「すまん、お前の話はさっぱりわからん。 説明してくれ。この紙切れは何なんだ?」
ユリスはため息をつきながら、
「いくら記憶が無くてもわかるでしょ。 しっかり読んでよ。」
もう一度紙を見る、だがやっぱり。
「何も書いてないじゃん? 何かのクイズか? 」
少し考えていたユリスは、ハッとした顔をしてからこっちを見た。
「そうか、記憶が無いから制限がかかってるんだ。だから白紙に見えるのね。そこまで考えてなかった。」
そう言うと、紙切れを俺の手から奪い、そのまま自分のポケットに入れてしまった。
「んじゃ、また記憶が戻ったらよろしくね。」
軽くウインクして部屋を出て行った。
< 86 / 258 >

この作品をシェア

pagetop