死せる朝日の会

「とりあえず紹介します。雨の事はわかりますね？ まあ会うのは初めてかもしれませんが、あの娘こそ、我々が考えるユリス候補なのです。」
俺は黙って頷く。
「それと、こちらは我々の仲間で、松平五平（まつだいらごへい）です、もちろん本来のあなたなら知っている人物ですが、今のあなたにはわからないと思いましたので紹介させて頂きました。」
五平？ 俺は驚いた、そしてその人物を改めて見てみる。俺が何故そんなに驚いたのか？ それは決して記憶が戻ったりした訳ではなく、その人物の容姿は、どこから見ても女の子そのものだったからだ。
「どうも、久しぶりです。記憶が無いのは残念ですが、こうしてまた、お会いできて嬉しいです。ちなみに私の事はマリーと呼んで下さい。昔のあなたは私をそう呼んでましたから。 マリーマリアの略称です。」
無表情のまま軽く頭を下げる五平、いやマリーかな。全く動じる事なくそれを見ていたアイリスだったが、
「五平、あなたのそうゆう所が理解でかないわ。ここはちゃんと自己紹介しないと。ね、高柳さんも混乱していますよね？」
俺は、大きく首を横に振って答えた。