死せる朝日の会
「そうじゃなくてさ。 の続きは? 何かな?」
うわ、やべえ。笑顔だ、でも目が全く笑ってない。これはいかん、きっと後で、いや、今殺されるかも。 俺まで泣きそうになり始めた時、見かねたアイリスが助け舟を出してくれた。
「はい、そこまで。高柳さんが困ってるじゃない。二人共それくらいにしなさいね。」
穏やかに二人に呼びかける。すると二人は、何事もなかったかのように黙って座る。マリーはただ黙って俺を見る、リンダは俺を見ながら、「後で話がある。」
とだけ言った。この時の俺は、よほど引きつった顔をしていたに違いない。事のなりゆきを黙って見ていたルイスが口を開いた。
「良し、二人とも良い子だ。そうやって大人しくしていてくれれば、立会人としても安心だ。」
ああ、なるほどね。 マリーはともかく、リンダまでもがアイリスの言うことを聞いた理由はこれか。
「さて、双方共に話し合いは済んだかな? もし何もなければ終了とするが? どうする?」
そうだよな、立場上アイリス達と長く一緒にはいられないよな。俺はリンダ、パステル、雨の三人を順に見た、皆一応に沈んだ顔をしている、まあそれはそうだろうな。
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