恋愛アンフェア
し、

知って、ます?


なかなか声が出せずにいる私を先生は覗き込んでくる。


でもその顔は、
その笑顔は、

草ではない。
草食系ではない。

確実に好戦的な肉食獣の
それだ。


「皆いなくなりましたね」


わざわざそんな事を教えてくれる意味が分からない。

私はどきどきしながらなんとか自分を建て直す。


「そ、そうですね」

「ところで先生の事今も好きですか?」


ぶっ!!


単刀直入すぎて、反応できない。

頭の巡りが回復するのを待ってくれる様子はなく、その人はぐっと顔を近づけてくる。


「先生は君が好きです」


たたみかけるように


「結構前から」


私の頭のネジを抜いていく。


「俺の恋人になりませんか?」


足の力が抜け、倒れそうになるのを抱きかかえられる。

いたずらっぽいのにどこか真剣な目が私を見下ろした。

耳元で
囁かれる。



「…はい、と言え」


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