恋愛アンフェア
もし本当に心配してるならそれは同僚として保健医に言うべきだしこんな校外に場所を移す必要もない。

さらにいくら事情を知っているとはいえ私にベラベラ喋っていい内容でもないし同意を求めるのも間違ってる。

私正しいでしょう。
私優しいでしょう。
私の味方になって。

そういう卑しい『女らしさ』が匂って吐き気がする。


「教師と生徒が恋しちゃ駄目ですか。何だろうが男と女でしょう。男と女が恋しちゃいけないっていうのは筋が通ってない」


女教師の目尻がピクリと痙攣した。


「貴女は自分のほうが有利だとタカをくくっていたんでしょう。

確かに教師と生徒じゃ困難が大きい。

でも彼らにはそれを越える力がある。

彼女にはそれに立ち向かう思いがある。

あの子は『生徒』っていうガキじゃない。

ひとりの男を好きな『女』です。

その『女』に『女』として対抗せずに『教師』として向かうのはフェアじゃない」


どうやら図星だ。

女教師の表情が教師の仮面を剥いだ。
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