あばば
いち
「私、もう一人ぼっちなの。移動教室おいていかれちゃって…ごめんね。迷惑だよね。分かってるんだけど…」
「ううん。いいんだよ。うちと一緒にいこう?」
三学期の初め、
私は大切なものを無くした。
「突然のことなの?」
あずさの問いに私はうん。とうなずく。
二学期まで一緒に笑いあっていた同じクラスの鈴。
私は信じていた。友達だと、思っていた。
「私わかんない。どうしてこんなことになったのか、心当たりといえば、ひとつあるんだけど…」
あずさはやっぱりと顔をしかめる。
「澪と一緒にいるんでしょ。鈴。やっぱりあれが原因なのかなぁ。」
三学期が始まってから、急に鈴がよそよそしくなった。
今まで一緒に行っていた移動教室も、一緒に過ごしていた休み時間も、鈴は私など存在しないかのように澪と行動をともにしていた。
急激な変化がおこったのは三学期からだが、正しくは二学期の終わりからそれは始まっていた。