あばば

『あずさはこうしてやさしくしてくれるけど、私って、あずさに甘えてるだけなのかな・・・。私って相当ひどい人間じゃない?そんなんだから澪のときも、聞かれたくない話だって気がつかずにあんなことしちゃったんじゃない?鈴だってそんな私に嫌気が差して……』

考え始めると止まらなくなってしまった。

「ちょっ…春、泣かないでよ!!」

「ごめっ…うっ…」

あずさと、体育館へと向かっている途中、階段の踊り場でついに私は泣き出してしまった。

「春。授業休む?」

それはいけない。と思ったが、こんな顔誰にも見せれなくて、

「そっか。じゃあ、保健室でやすんでなよ。先生には私が言っておくし、体育終わったら迎えにくるから。」

< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop