あばば


授業終了のチャイムが鳴り響く。

ガラリと、戸が開き、あずさが入ってくる。


「春。大丈夫?落ち着いた?」

あずさの開けた戸の隙間から友達の燐が、こちらを伺っている。

「燐もね。心配してくれたんだよ。」

ありがとう。そう思ったが、今は自分のみそぼらしい姿をあまり見せたくなくて、うつむいてしまった。


「帰ろう。私たちがいるし。大丈夫。」

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