Tokyo Midnight
「・・・ねぇ、彩斗さん・・・しよう?」

もちろん、そういう意味だった。

一週間、一緒にいるのに彩斗さんは私を抱くどころかキスすらしてこなかった。

彩斗さんは読みかけの文庫本を閉じてサイドライトの下に置く。

そしてめがねを外すとその文庫本の上にたたんで置いた。



ねぇ・・・触って・・・


もっとキスして、めちゃくちゃにして・・・


そうしたら、こんなに苦しまなくて済むから・・・



彩斗さんが近づいてくる気配に、ゆっくりと目を閉じる。
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