Tokyo Midnight
「・・・俺のこと忘れられなくなった?」

私はその言葉に素直にうなづく。

児嶋さんについて、何も知らないけど・・・

まだどういう人かわからないけど・・・

「・・・今日からお前はここで暮らすんだ」

そう言って児嶋さんが私を抱き上げ、さっきの部屋へと歩き出した。

足元にはさっきなかったブランドものの紙袋がたくさん置いてある。

・・・どういうこと・・・?

ここで暮らすって・・・

「・・・児嶋さ・・・」

口を開くと、唇で塞がれた。

「・・・今は何も聞かないでくれ。ただここにいてくれればいい」

伏せられた睫毛が寂しそうに揺れる。

私はそれ以上何も言えなくなってしまった。

ただ仕事のこととかアパートのこととかは心配で聞いてみたんだけど、どっちも児嶋さんの一声でどうにでもなるみたいで、私はそのまま児島さんのマンションで暮らすことになった。
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