Tokyo Midnight
そうして私は、給仕の人がいなくなると大きなベットに子猫のように丸まった。

さっき交換してもらった新しいリネン。

そこから児嶋さんのぬくもりは感じられない。



早く・・・

早く帰って来て・・・


私はいつの間にかそのまま眠りの世界に引きずり込まれてしまった。





「・・・子、・・菜子」

「・・・ん・・」

優しい声が私の名を呼ぶ。

大きな手が私の体を抱き寄せ、優しく抱きしめてくれる。

「・・・児嶋・・さん?」

ふわんと香るその香水の香りは児嶋さんの香り。

なんでかわからないけど、胸がきゅんと痛くなるようなそんな切ない香り。
< 41 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop