Tokyo Midnight
しかも今夜は私に触れるその手までも優しい。

ゆっくりとドレスの背中のファスナーを下ろされる。

シルクのドレスは柔らかく、重力に沿って私の肌を滑り落ちていく。

それを追いかけるように児嶋さんの指先は私の肌をなぞっていく。

「・・・っ・・」

児嶋さんの唇が首筋に吸い付く。

柔らかく唇で甘噛みしては耳元へとあがっていって、耳たぶを噛まれた。

耳に感じる吐息が熱くて、時折呼ばれる名前が心地良くて、私は首に回して腕に力をこめた。

そうしながらドレスの肩ひもが腰の辺りまで落ちると、児嶋さんの手はゆっくりと私のわき腹を撫でる。
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