Tokyo Midnight
逃げたいけれど、児嶋さんの両手はいつの間にか私の足首を掴んでいて、上半身をよじることしかできなかった。

そして、不意にその刺激が無くなったと思うと今度は直接児嶋さんの指が滑り込んできた。

その指先は容赦なく奥まで差し込まれたものの、動く気配がない。

「・・え?」

いつの間にかぎゅっとつぶってしまっていた瞼を開くと児嶋さんはゆっくりと体を起こした。

「・・・なんで、逃げなかった?」

突然のその言葉に私は一瞬何のことを言われてるのか、さっぱりわからなかった。

「またこうなるってわかってただろ?」

そう言いながら、児嶋さんは差し込んだ中指に沿って人差し指も差し込んだ。
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