Tokyo Midnight
「風呂、入れてやる」

「えっ・・・嘘っ・・い、いいです!一人で・・・っ・・」

腕の中で暴れると、再び唇を塞がれる。

「おとなしくしないと、風呂場で襲うぞ」

私は蛇ににらまれたカエルみたいに息を止めた。

「それと、俺のことは名前で呼べ」

児嶋さんはまるで知らないのか?というように私を見つめてくる。

知らないはずがない、最初にお店で会ったときに名刺をもらっているのだ。

「・・・あ・・・彩斗・・さん」

そう言うと児嶋・・・じゃなかった、彩斗さんはいきなりズンズンと歩き出した。

「で、でも・・お風呂は一人がいいです~!」

と、私の叫びもむなしく、結局お風呂場でも襲われてしまったのでした。
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