Tokyo Midnight
出張が終わりマンションに戻る。

カードキーでドアを開けると、部屋の中は真っ暗だった。

いないとわかっているのに、俺の足は勝手に寝室へと向かう。

そっと扉を開けると、やはりそこも真っ暗だった。

ゆっくりと部屋を進み、その奥のカーテンをゆっくりと引く。

「・・・ん・・・彩斗・・さん?」

空耳だと思った。

掠れた小さな声が俺の心臓を飛び起きさせる。
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