Tokyo Midnight
Tokyo Midnight【7】
ちゃぽん・・・

私の頬を伝って落ちた涙が、心地のよい音を立てる。

「これ・・・慶介か?」

私はうつむいたまま首を横に振った。

「じゃあ、誰だ?」

言ってもいいの・・・?

これから私はどうなるの?

「・・・和、人・・・さん」

かすれた声でそう小さく答えると、彩斗さんは「悪い」とつぶやいた。

そう、悪いのはこの人。

この人のはずなのに、なんでそんな泣きそうな顔をするの?

文句を言って、元の生活に戻してもらえばいい・・・

なのに、その顔を見たら何も言えなくなってしまった。
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