Tokyo Midnight
私たちはお互いの着ていたものを脱ぐと、何も言わずにただ湯船に浸かっていた。

時折彩斗さんの大きな手がゆっくりと私の肩にお湯をかけて温めてくれる。

そして十分にあったまると、ふわふわのタオルで私を包み込んだ。

「動くな。全部やってやるから」

彩斗さんは丁寧に私の体を拭くと、髪の先までしっかりと拭いてくれた。

まるで小さいころに戻ったみたいで、少しだけ甘えたくなる。

拭き終わると真新しいバスローブを着せ、私を抱きかかえた。

自分の体は適当に拭いてバスローブを着込む。

私は抱っこされながら、彩斗さんの髪をタオルで拭いた。

そっとベットにおろされると、不意に彩斗さんが寝室を出ていこうとする。
< 97 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop