貴方の愛に捕らわれて
「何も心配はいらねぇ。
今は体をゆっくり休めて、早く元気になれ」
猛さんは、そう言うと大きな手で頭を優しく撫でてくれた。
猛さんの温もりを感じながら、私は深い眠りについた。
次に目を覚ますと、カーテンの隙間から明るい光が漏れていた。
外はもう明るいようだ。
体をゆっくりと起こす。
大丈夫。今度はちゃんと一人で起きることができた。
私はベッドを抜け出すと大きな窓に近寄り、カーテンを開けた。
目の前には遮るものが何もなく、遠くの方まで広がる空。
下を見れば、車が小さく見える。
どうやらここは、高層マンションのかなり上の階らしい。
目の前の景色に気を取られていると、後ろでドアの開く音がした。