貴方の愛に捕らわれて

「何も心配はいらねぇ。


今は体をゆっくり休めて、早く元気になれ」




猛さんは、そう言うと大きな手で頭を優しく撫でてくれた。



猛さんの温もりを感じながら、私は深い眠りについた。








次に目を覚ますと、カーテンの隙間から明るい光が漏れていた。



外はもう明るいようだ。



体をゆっくりと起こす。



大丈夫。今度はちゃんと一人で起きることができた。



私はベッドを抜け出すと大きな窓に近寄り、カーテンを開けた。



目の前には遮るものが何もなく、遠くの方まで広がる空。



下を見れば、車が小さく見える。



どうやらここは、高層マンションのかなり上の階らしい。



目の前の景色に気を取られていると、後ろでドアの開く音がした。



 
< 100 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop