貴方の愛に捕らわれて
掴んでいた手を離し、慌てて龍二さんから視線をそらせば、今度は笑いを耐えている智也さんと目が合う。
さっきまでだって、十分に赤い顔をしていたのに、更にカァァっと全身が熱くなる。
恥ずかしくて、倒れそう………
二人の視線から逃れたくて、猛さんの陰に隠れる。
すると頭上で「フッ」って笑う声がして、次の瞬間、猛さんの逞しい腕にギュッと抱きしめられていた。
不思議………
男の人が怖くて、近くに来られるだけで体が強張るのに、どうしてかな?
猛さんに抱きしめられると、すごく安心する。
そんな事を考えていたら、「熱を計るぞ」と言ってスウェットの裾から、猛さんの手が潜り込んできた。
猛さんの大きくてゴツゴツした手が、素肌に触れる。
ゾクリと甘い痺れが全身を抜ける。
心臓はバクバクと一気に暴れ出し、キュウっと甘い痛みをあげ、頭が真っ白になる。
カチンコチンに固まる私をよそに、体温計を脇に挟んだ猛さんは、股の間に私の身体を収めると、後ろからスッポリと包み込んだ。
片腕をお腹にまわして、しっかりと私の体を固定すると、もう片方の手で優しく頭を撫でられる。