貴方の愛に捕らわれて
頭を撫でる大きな手に、うっとりしていると“ピピピピ”という電子音が聞こえた。
「36.8度か。取りあえず熱が下がって良かったな」
私の耳元で、低い声が優しく囁く。
昨日からずっと甘い猛さんに、バクバク暴れる心臓が壊れちゃいそう。
私は真っ赤になりながらもコクンと頷くと、大きな手に優しく頭を撫でられる。
その後、私は昨夜と同様に猛さんにお粥を食べさせてもらった。
熱も下がったことだし、『自分で食べれます』って言ったけど、病気の時は食べさせてもらうのが“当たり前”と主張する猛さんに、食べさせてもらった。
こんな風に優しく甘やかしてもらえるのなら、“病気になるのも悪くないな”なんて、ちょっぴり嬉しかったのは内緒。