貴方の愛に捕らわれて
7
食事を終えて、薬も飲んだ私は、未だ猛さんの腕の中。
「香織。少しいいか?」
私を抱きしめたまま猛さんが切り出したのは、昨日からの疑問。
「どうしてホテルに居たんだ?」
猛さんの質問にピクリと体がはねる。
本当のことを言ったら、猛さんは私から離れて行くのだろうか?
俯いてシーツを掴む手に力がこもる。
「責めてる訳じゃないんですよ。
組長は、ただ香織さんの事を心配してるだけですから」
柔らかな声に顔を上げれば、優しく笑う龍二さんと目が合う。
龍二さんの言葉に勇気づけられ、私を包む大きな体をそっと見上げる。
瞳の奥に慈しみを宿した漆黒の瞳が私を捉える。
漆黒の瞳は「大丈夫だ。俺を信じろ」と無言で語りかけているようで、私はフウっと息を吐くと、昨日の事を説明した。