貴方の愛に捕らわれて
あの時の事を思い出したら、恐怖とか恥ずかしいといった感情で声が震え、涙が溢れそうになった。
とにかく気持ちを落ち着かせようと、大きく息を吐き出す。
猛さんは、まるで私の事を励ましてくれているかのように、大きな手で優しく頭を撫でてくれた。
そんな猛さんの態度に勇気を振り絞り、最後の言葉を吐き出した。
激高する伯母に、子供の癖に…男を誘うなんて、なんてフシダラな……
この恩知らずの泥棒猫って言われ、追い出されました。
そんな行く宛のない私を、香奈さんは引き取ってくれたんです………
私、香奈さんの…とこ…追い…出され……たら……も…ぅ………
行くとこ、ないんです!!