貴方の愛に捕らわれて
最後は、叫ぶように喉の奥から言葉を絞り出すと、目の前のシーツをギュッと握りしめた。
小刻みに震える肩。
高ぶる感情を抑えようと息を止める。
ダメ…、泣いちゃダメ………
その時、すごい勢いで肩を掴まれ、一気に視界が真っ暗になった。
「もういい!分かったから………
辛かったな。泣けよ……。我慢するな」
いつもは自信に満ちた力強い声が、苦しそうに呟く。
後頭部を掴んだ大きな手が、私の顔を固い物にグイッと押し付ける。
背中に回された腕に痛いくらいに、抱き寄せられる。
何がどうして、こうなったのか、気がつけば猛さんの胸に顔をうずめ、嗚咽を漏らしていた。
『……っふぅ………っく………』
「声出して泣けよ」
かすれた低い声が囁く。
背中に回された腕が、いたわるように背中を上下する。