貴方の愛に捕らわれて
『私なんて、猛さんに釣り合わないです』
「釣り合わない?何がだ?」
『猛さんは大人だから、私のような子供なんて不釣り合いです。
それに、私、何の取り柄もないし……』
自分で言ってて、自分の言葉に悲しくなってくる。
視線を逸らす私の首筋に、猛さんは顔をうずめ、強い力で抱きしめられた。
「なあ、香織。俺から言わせれば、俺みたいなオッサンはお前には似合わないって分かってる。
俺には金もあるし、こっちの世界では、それなりの地位もある。
だがそれは、こっちの世界での話しだ。