貴方の愛に捕らわれて
「話も纏まったようですし、風呂が沸いてますからどうぞ」
急に明るい声で話し掛けられて、ビックリした。
またしても忘れていたが、この部屋には龍二さん達もいたんだ。
猛さんの胸にしがみついて、子供みたいにワンワン泣いた所を見られたなんて、恥ずかしい。
猛さんから慌てて離れようとしたら、ガッチリ抱きしめられていて、身動きがとれない。
「やっと手に入れた可愛い小鳥を、離したくない気持ちは分かりますが、香織さんまだ本調子じゃないんですから。
取り敢えず風呂に入って休ませないと、また熱がぶり返しますよ」
笑いを堪えた龍二さんの声に、さっき迄のやり取りを思い出したら、恥ずかしくて恥ずかしくて
穴があったら入りたい………
頭から湯気が出そうなほど真っ赤になった私は、羞恥のあまり小さくなっていると、不意にフワリと体が浮いた。