貴方の愛に捕らわれて
まさかとは思いつつも、頭の中を占める疑問を口にすれば、それをアッサリと肯定する猛さん。
有り得ないんですけど!!
『ダメ!ダメ!ダメ!ダメェ!!』
必死に叫ぶ私を見て、猛さんは少し拗ねたみたいに「何が駄目なんだ?」って言うけど、ダメに決まってるじゃない。
『一人で入れますから』って、真っ赤になって脱衣場の隅っこまで逃れる私を、じぃーっと見つめる猛さん。
「やっぱり俺の事が嫌いなんだな」
太い眉を垂らして、シュンとする猛さんは、叱られた子供の様で、酷く罪悪感を覚える。
『恥ずかしいから無理です!』って言ったら、なんとか諦めてくれたみたいで、「何かあったら呼べよ」と言いながら、しぶしぶ脱衣場を出ていった。
何かなんて、ある訳ないのに………