貴方の愛に捕らわれて

まさかとは思いつつも、頭の中を占める疑問を口にすれば、それをアッサリと肯定する猛さん。





有り得ないんですけど!!




『ダメ!ダメ!ダメ!ダメェ!!』




必死に叫ぶ私を見て、猛さんは少し拗ねたみたいに「何が駄目なんだ?」って言うけど、ダメに決まってるじゃない。



『一人で入れますから』って、真っ赤になって脱衣場の隅っこまで逃れる私を、じぃーっと見つめる猛さん。



「やっぱり俺の事が嫌いなんだな」



太い眉を垂らして、シュンとする猛さんは、叱られた子供の様で、酷く罪悪感を覚える。




『恥ずかしいから無理です!』って言ったら、なんとか諦めてくれたみたいで、「何かあったら呼べよ」と言いながら、しぶしぶ脱衣場を出ていった。




何かなんて、ある訳ないのに………



 
< 127 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop