貴方の愛に捕らわれて
猛 saido
ちょっとやり過ぎたか。
どうしても欲しかった可愛い小鳥をやっと手に入れ、嬉しさで浮かれて、つい年甲斐もなく香織をからかっちまった。
真っ赤になって脱衣場の隅に逃げ込んだ香織。
その可愛い仕草を思い出すと、顔がニヤケる。
リビングに入ると驚愕して目をむき、口をだらしなく開けた智也と、声を殺して笑う龍二の姿が目に入った。
どうやら、脱衣場のやり取りが聞こえていたようだ。
少々バツが悪くて、舌打ちをすれば、ハッとして、何とか平静を装う智也。
龍二のヤツは、まだ笑ってやがる。
「オイ」
俺が不機嫌に声を掛けると、やっと笑いを収めた龍二は、ニヤケながら、嫌な事を言いやがった。