貴方の愛に捕らわれて
出会った時のことをぼんやりと思い出していると、そんな私を気にするでもなく、猛さんは話しを続けた。
「だけど、お前は何故か毎晩現れた。
それから暫くして、俺はお前に話しかけたが、やはりお前は態度を変える事なく接してくれた。
その内、少しずつだが、お前がその日の出来事なんかを話してくれるようになったのが、本当に嬉しかった。
俺の周りには、俺の地位や権力、金に群がるヤツらばっかりだったからな。
肩書き抜きで純粋に俺の事を見てくれるお前に癒やされた。
お前との時間を重ねれば重ねる程、どんどんお前に惹かれていった。
お前の事を
――愛しい
って思うようになるのに、さほど時間はかからなかったな。
そして、初めて誰かを側に置きたいと思ったんだ」