貴方の愛に捕らわれて
「飯の用意をさせる。今朝は昼を兼ねた飯になったから、腹減っただろ?
だから夕飯は少し早めにする。何でも食いたいものを言え」
仕事の電話をしていると思っていた猛さんからの、思いも寄らない問い掛けにキョトンとなる。
そんな私の頬を擽りながら、クックッって喉を鳴らして笑う猛さんは、ご機嫌のようだ。
「俺は構わんが、そんな泣きはらした目で外へ出かけるのは嫌だろ?
洋食か?和食か?それとも中華にするか?何でも良いぞ。ん?」
ん?なんて言いながら私を見つめる猛さん。
確かに散々泣きはらした、この酷い顔で外にご飯を食べに行くのは躊躇われる。
――じゃなくて!
緩やかに動き出した頭で、さっき耳にした気になることを聞いてみる。