貴方の愛に捕らわれて
私が何よりも恥ずかしかったのは、学校への送迎だった。
智也さんが運転するフルスモークのベンツ。
後部座席には、私の肩に腕を回して、抱き寄せて座る激甘モードの猛さん。
逞しい胸にもたれかかるように抱き寄せられ、ドキドキが止まらない私を、助手席に座った龍二さんがからかう。
クスクス笑う龍二さんの視線を、避けるように俯いていた私は、外の様子に気を配る余裕なんてなかった。
だから外が凄い事になっていたなんて、全く気が付いていなかった。
車から降り立った瞬間、最初に感じたのは違和感。
何時もと何だか違う空気に、伏せていた視線を上げれば、無遠慮に向けられた沢山の刺すような
―――好奇の視線。
遠巻きにザワザワと騒ぐ生徒達。