貴方の愛に捕らわれて
なぜ一部のクラスメイトが私を認識しているのかと言えば、日直や掃除といったクラスの面倒事を押し付けるためで、決して仲がいい訳じゃない。
彼らは私の事をジミーと呼んだ。
無遠慮に向けられる刺すような視線。
私を遠巻きにした人達から浴びせられる罵声や嘲笑。
居たたまれない思いで俯むけば、誰かが目の前に立つ気配がした。
びっくりしてチラリと視線を上げれば、いつの間にか助手席から降りてきた龍二さんが、私を背中に庇うように立っていた。
突然現れた龍二さんに、遠巻きに罵声を浴びせていた女子生徒達から、一斉に黄色い悲鳴があがる。
そんな大騒ぎの中、龍二さんが低い声で相沢先輩達を呼んだ。
「晃、修、一也」
「「「おはようございます」」」
呼ばれた相沢先輩と赤崎先輩、それからクラスメイトの堀田君が龍二さんの前に出る。