貴方の愛に捕らわれて
呼ばれた3人が一斉に挨拶するのを、軽く頷いて答える龍二さん。
そしてこちらを振り返ると、先程までとは打って変わって、優しい微笑みを浮かべる。
「香織さん。こいつが焔虎の総長の相沢晃です。
隣が副総長の赤崎修。
それから幹部の堀田一也。こいつは同じクラスですよね?」
どうしてだか、相沢先輩達を紹介してくれる龍二さん。
その意図が全く分からないんだけど、皆の注目を集めたこの状況で、青ざめながらもコクリと頷く。
私が頷いたのを確認すると龍二さんは、厳しい表情で相沢先輩達に向き直る。
「こちらが篠宮香織さんだ。
香織さんは俺達にとって大切な人だ。
だから学校内での護衛を、お前達に頼みたい。頼めるか」
「はい」
龍二さんがそう言うと、先輩達が一斉にこちらを向く。
迫力満点の相沢先輩達に、益々血の気が引いて行く。