貴方の愛に捕らわれて

突然、龍二さんがドスの利いた低い声を出す。



「随分とハエがうるさいが、その辺の対応もきっちりしろ」



龍二さんはそう言うと、さっき私を罵倒していた女子生徒達に、凍るような鋭い視線を向けた。



睨まれた女子生徒達は、物凄い殺気に腰が抜けたようで、その場にしゃがみ込み顔面蒼白で震え上がっている。



龍二さんのあまりの豹変ぶりに、睨まれたのは私じゃないけど、びっくりして言葉も出ない。



そんな私の目の前で龍二さんは手にしていたスクールバックを相沢先輩に手渡した。



ズッシリと中身が詰まって重そうなバック。



そのバックには、何だか見覚えがあるような……



………!?



あれ私のだ!!


何で!?どうして??



目の前の状況にパニックを起こす頭。



どうして龍二さんは私のバックを相沢先輩に渡すの?



 
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