貴方の愛に捕らわれて


もうこれ以上は、私のスキルではどうすることも出来ず、顔面蒼白のまま、うなだれて先輩達の後をついて行くことになった。




相沢先輩と赤崎先輩が先導役で、その後を私がとぼとぼとついて行く。



その私の後ろを、堀田君と強面の集団がゾロゾロとついてくる。



先頭を行く相沢先輩の手には、私のスクールバック。



衆人環視の中、大名行列のように教室へ向かう私達。



居たたまれない思いだけが募り、早く教室に着いてと必死に祈った。




でも、やっとたどり着い教室でも、クラスメイトの視線が痛かった。



それにチラリと廊下を見れば、黒山の人だかりが出来ていて、物凄く見られている。



休み時間の度に廊下は人で溢れかえり、その騒ぎは一日中ずっと続いた。




それは何時も人目を避け、教室の隅で息を潜めていた私にとって、酷く緊張を強いた。



 

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