貴方の愛に捕らわれて
猛さんは、どれだけ沢山の幸せを、私に教えてくれるのだろう。
ありがとうございます―――
心の中で何度も感謝の言葉を繰り返しながら、猛さんの胸にしがみつけば、大きな手が優しく頭を撫でてくれる。
「学校はどうだった。体は大丈夫か」
私の事を気遣ってくれる言葉に顔を上げれば、切れ長の瞳に至近距離から見つめられ、すごくドキドキする。
どう答えていいか戸惑っていると、猛さんの顔がぐいっと近づいてくる。
キスされる!?
咄嗟にぎゅっと目を瞑れば、コツンと何かが額にぶつかり、
恐る恐る薄目を開けてみれば、私の額に自分の額をくっつける猛さんのアップ。
――――!!
「熱はないな。気分はどうだ?医者へ行くか?」
今にも唇がくっ付いてしまいそうな程近い距離で喋る猛さんに、一瞬、私の心臓が止まったような気がする。