貴方の愛に捕らわれて
あまりの可愛さに、つい調子に乗って構い過ぎれば、香織が眠たそうに瞼をゆっくりと開いた。
まだ寝ぼけているのか、ぼうっと俺を見つめる香織。おはようと声を掛ければ、少しの間と小さな悲鳴。
何でだよ。
真っ赤な顔で悲鳴を上げる香織に、些かムッとしながらも「どういうつもりだ」と迫れば、小さな身体をジタバタさせて俺から逃れようとする。
誰が逃がすか。
腰と後頭部に手をまわして捕まえれば、今度は華奢な腕を突っ張り、精一杯上体を反らしやがった。
オイオイ、そんな弱い力で俺の腕の中から逃げられると思ってるのか。
腕の中で弱々しい抵抗をみせる、華奢な身体を組み敷いて押さえ込むと、強引に視線を合わせた。
大人しくなった香織に「悲鳴をあげるほど俺が嫌か?」と問い質してはみたが、その答えを聞くのが怖くて、香織の顔が見れない。