貴方の愛に捕らわれて
 

焦る必要はない。



この甘い唇も――

華奢な身体も―――

香織の全ては俺のモノだ。



ゆっくりと俺に慣れさせ、トラウマを取り除いてから、思う存分味わえばいい。



香織。早く俺に慣れろ。その時が来たらもう容赦はしねぇからな……




腕の中で恥ずかしさに身をすくめる可愛い小鳥を、優しく抱き寄せた。




極道をやっていれば、香織よりもっと悲惨な状況で生きているヤツらを、散々見てきた。



だが、そんなヤツらに対して、憐れみや同情を感じる事など一度もなかった。



そんな俺が、香織にだけは、どんな些細な事でも辛い思いをさせたくない、



真綿にくるむようにしてあらゆるものから守ってやりたいとガラにもなく思ってしまう。



俺は己の持てる全てで、その為の万全の方策を立てた。




 
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