貴方の愛に捕らわれて
 

何より一番大きな変化は、家が私に安心を与えてくれる場所になったという事かな。



祖母達と暮らしていた時も、叔母達と暮らしていた時も、実の母親と暮らしていた時ですら、私にとって家は寛げる場所ではなかった。



厄介者だった私に居場所なんて、どこにもなかった。



そんな私に、猛さんは居場所を与えてくれた。



ここがお前の居場所だと言った猛さんの腕の中は、どこよりも安心出来て、いつも周りを警戒してハリネズミの様だった私の心を、優しく解してくれた。



猛さんは他にも沢山の“嬉しい”とか“楽しい”を私に与えてくれて、彼の優しさには感謝してもしきれない。



そんな感謝こそすれ文句の付けようのない猛さんにも、困った事があって……



それは、私に対する異様なまでの過保護ぶり。



 

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