貴方の愛に捕らわれて
色んな事が、それなりにあった3ヶ月。
短い春休みを終える頃には、猛さんとの生活にも段々と慣れてきた。
そして、今日から私は高校3年生。
いつもと変わらない学校。
少しだけ変わった事は、2階だった教室が1階になった。それぐらい。
クラス変えもあったけど、クラスメイトの顔なんて全く覚えていない私にとって、それはあまり意味の無いことだった。
今日から1年、また変わらない毎日が始まる。そう思っていたんだけど……
「貴女が篠宮香織さん?私は篠田由香里です。
単刀直入に言うわ。章司と別れて」
『………は、い?』
黒板に貼りだしてあった席表に従い、自分の席に座ると、一人の女子生徒が私の名前を呼んだ。